庭に生えているスベリヒユに、枝が対生しているところと互生しているところがあるのに気づいた。本にはなんと書いてあるかと調べてみた。
- 大井:
- 葉は互生および束生。
- 平凡社:
- 葉は互生。
- 保育社:
- 記事なし。
- 牧野:
- 葉は概ね対生。
- 山渓:
- 記事なし。
枝のことはどこにも書いてないが、枝は葉腋から出るものと考えれば、枝の出方は葉の出方を反映しているはずである。枝は基部の方では対生で、節ごとに90度ズレているように見える。「ように見える」とあいまいなのは、茎も枝も地面に平たく展開しているうえ、茎が肉質で太いので、90度の開度を追いかるのがむづかしいのだ。でもなんとか追いかけられるところはある。節によっては、左右の枝が少しズレて出ているところもある。とくに果序から先の枝ではすごく離れていて、互生というよりほかはないところもあるが、互生している2本の枝は、ちょうど 180度の関係にあり、対生がズレたと考えられなくもない。枝は3~4節の後に茎頂に花を複数つけ(いまは果序)、その基部から通常は枝が3本出ている。そこから先は2-3 節目でまた花がつくが、もう枝は出さず、葉が群がっていて、束生状態になる。葉が互生しているように見えるところをよく見ると、反対側の葉が退化して鱗片状になっていることが多い。したがって、スベリヒユは基本的には対生と言ってよかろう。ときに互生もあるという程度である。
維管束でなにかわかるのではないかと、茎の断面を作ってみた。はっきりした維管束が4本あることはあるが、その他にあまり太くないものがいくつか不規則に間にはさまっており、これでは何も言えそうにない。細胞はたいへん大きく、刃のにぶいカッターナイフでフグ刺し程度の厚さに輪切りにしてルーペでのぞいても、細胞一つ一つがよく見える。こういう観察は顕微鏡を持ち出すまでもない。輪切りにした資料を透明封筒にのせて(粘液が多いから楽に貼りつく)、明るい方へすかして見ればよい。
観察してもう1つ気づいたことは、副芽があることである。枝の付け根の外側をよく見ると、なにやらごく小さな膨らみがある。枝の付け根には通常は葉がついているが、それが落ちた跡や、葉が鱗片状になったところに、それらしいものが見える。中には小さな枝が出ていることもある。
スベリヒユはなかなかしおれないので、採ってきてからサボッて放り出しておいても2~3日はあまり変わらないから、ものぐさの観察には都合がよい。
[野草72(530):43-44(2006)]
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